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【本】父親と母親、どちらも子どもの成長に必要な存在。『フランス父親事情』

父親とは何か。『フランス父親事情』という本を読みました。

フランス父親事情

(表紙は、いかにもフランス人という男性の横顔と、愛らしい赤ちゃん。)

父親とは、母親とは違う性をもつ、子どもの成長に必要な存在

先進国の中でも出生率の高いフランス。それは、結婚以外でも結婚と同等の法的メリットがえられるパートナー制度があったりと、結婚や子どもをもつことについて、手厚い保護があるから。

そんなフランスの例が紹介されている本かと思ったら、さらに先をいく内容でした。

<目次> 

1章 パパになった
2章 父性をめぐる現代史
3章 あんなパパ、こんなパパ
4章 神と精神分析
5章 父性をめぐる西欧史
6章 男ってなんだ?
7章 「父親学」の現在

現代のフランスにおける父親の実例が紹介されているだけでなく、宗教と父親の関係や、西欧史における父親、現在の父権まで、広く書かれています。 

父親への愛情が、母親への愛情より少し遅れてやってくるのはたしかだ。しかし、だからといって、ふたつの愛情に優劣はつけられない。肉体への接触が先行することで形成される愛情と、そもそも質が違う。人間が乳を吸っている姿は動物とあまり変わらない。人間が人間であるのは、言葉が介入することによってである。人間には、そのふたつのものがどうしても必要なのである。

父親は、母親とまったく同じになる必要はなく、むしろ違う存在だからこそ、子どもは世界にむけて飛び出す練習ができるそう。 

父親が、こどもがすべての人間へ向かって自分を開いてゆくためのトランポリンの役割を果たすものだとしたら、父親であるとは、なんと素晴らしくも崇高な役回りなのだろう。

父親と母親、家族について

フランスの進んだ政策にビックリしながら、他国では認められていない同性婚が認められていない理由には、なるほどと思いました。それは「同性愛者が子どもを持つ権利より、子どもが異性の親を持つ権利の方が重要だ」というもの。同性婚を認めつつある世の中の流れに対して慎重であり、より深く考えられている上での選択なのだと感心します。

母親と子どもの関係については、どの書店で図書館でも簡単に見つけることができますが、父親と子どもというとぐっと数は少なくなるのではないでしょうか。

離婚後は、子どもに対して母親の権利が強くなった反面、父親の権利は弱くっている。そのようなことも書かれており、子どもにとって父親とは何か、と考える良い機会になりました。

父親である人、母親である人、親になろうとしてなれなかった人、そして父親でも母親でもない人たちと、私はこの書を分かち合いたい。親でなくとも、みな誰かの子であることはまちがいない。その地点へいつも立ち返ってみる姿勢を忘れずに。そうすることで自ずと、「父親って何?」という問いが、本来の奥行きを持って立ち現われてくるように思われる。

この通り、「はじめに」に書かれているように、私たちは人であるかぎり、誰かの子どもです。人類が生まれたころから続いてきた、父親と母親という存在について、あらためて考えさせられました。

親を持つ、すべての人におすすめの一冊です。