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【本】幸せな時間の使い方『世界でいちばん貧しい大統領からきみへ』

世界でいちばん貧しい大統領からきみへ ホセ ムヒカ 本

ウルグアイ第40代大統領、ホセ・ムヒカ氏のスピーチが話題になっています。

そのスピーチが絵本になったときいて、間違って別な本を借りてしまいました。

それが、思いがけずとても良かったのでご紹介します。

インタビューをまとめた文章が、素敵な絵とあわせて深く味わえる一冊。

お金、時間、生きることについて考えさせられる本です。 

お金より自由を楽しむ時間

世界でいちばん「貧しい」大統領といわれていることについて。

わたしは、自分を貧しいと思っていない。いまあるもので満足しているだけなんだ。わたしが質素でいるのは、自由でいたいからなんだ。お金のかかる生活を維持するために働くより、自由を楽しむ時間がほしいんだ。 

自分を貧しいとは思っておらず、質素でいるのは自由でいたいから、と答えます。 

人生で一番貴重なのは、時間だということに気づかされました。

未来のために過去を乗り越える

人生は過去じゃない。そういってもらえることで心が軽くなる人は多いはず。

人生は未来だ、過去じゃない。もちろん、過去は厳然と存在する。いや、過去を忘れるのではない。そんな簡単に忘れられるものか。これまでに起こったことを、どうやって忘れろっていうんだ。だが重要なのは未来のために過去を乗り越えることなんだよ。 

 「過去は忘れなさい」ともよくいわれるけれど、それもムリ。

過去は忘れられないもの。でも、未来のために乗り越えよう。そう激励された気分になる文章。

人生の時間 

では、自由になった時間を何に使ったらいいの?

そんな疑問に対しても、ムヒカ氏は答えを出してくれています。

それは、大切な人と過ごすこと。 

若い人には、恋するための時間が必要なんだ。子どもや家族ができたら、いっしょに過ごすための時間が必要なんだ。友だちがいたら、友だちと過ごす時間が必要なんだ。

若い人には、恋するための時間が必要なんだ。

とても素敵な言葉!

ムヒカ氏には、後に妻となるルシアさんと出会った後、ゲリラ活動で投獄された経験があります。

女性と恋に落ちる、そんなまだ若い青年時代に獄中生活を送った方ならではの言葉だと感じました。

最近、なんだか気持ちが沈みがち。

そんなときは、家族や友人、恋人など近しい人、大切な人と過ごしたいですね。

こどもの時間

子ども時代の時間の使い方について。

ついつい親は、子どもに成長してほしいと期待しがち…。

でも、振り返ると自分の身になっているのは、子どものときに好きで、夢中になってしていたことばかり。

嫌々やっていたことって、まったく覚えていなかったりします。 

なかでも子ども時代はもっとも幸福な時期だ。大人は子どもをせかさないでほしい。子どもは遊んで、遊んで、遊んで、幸せにならないといけない。知識、知識、知識、情報、情報、情報、と急いで与えないでほしい。子どもはゆっくり育つべきなんだ。(中略)しかし、子どものときをたっぷり生きてこそ、知恵と人格のある大人になれるんだ。 

子育て中としては、悩む問題ですが…子どもが伸び伸びと過ごせるよう、一緒に遊べる時間をつくりたいなと思わせられる文章。 

許すこと

報復という正義をかかげた戦争が、いまだに地球上で続いています。

憎しみは建設的ではない、というのはとても説得力のある言葉。

異なる意見にオープンであることが大事、というものも身につまされます。 

憎しみは建設的ではないんだ。報復が、正義という名のもとに行われることが、世界にはいやというほどある。そんな正義は、わたしはこれっぽっちも信用していない。許すこと、過去を乗り越えること、そして異なる意見にオープンであることが大事なんだよ。 

話し合いと戦争

上に続く内容。

戦争は何も生み出さないず、ただ破壊する行為。

最悪な話し合いでさえ、最高の戦争に勝る。

話し合いでは人は死にません。本当にその通りだと思いました! 

最悪な話し合いは、最高の戦争に勝るんだ。

人は孤独では生きられない

ゲリラ活動で、これまでに4回の投獄生活を送ったムヒカ氏。

そんな彼ならでは言葉がこちら。

牢獄の孤独の中でぼうだいな読書をし、外に出た後はさまざまな人と関わって、わたしはある結論にたどりついたんだ。人は孤独では生きられないってことに。 

人間は、社会生活を送る動物、社交的な動物といった内容を聞いたことがあります。

孤独を愛する人でも、完全に一人で生きていくことは、物理的にも精神的にも難しい。もの。

こちらの文章を読んだとき、『キャスト・アウェイ』という映画のことを思い出しました。

映画の中で、孤島に漂流した主人公が、物言わぬバスケットボールに名前をつけて、話しかけるシーン。

人は、誰かと交流せずには生きられないと感じます。

命は奇跡

最後に、一番心に響いた部分がこちら。 

お金を持っていても、時間は容赦なく流れていくんだ。物のために生きてはならないんだよ。いちばん大切なものは命なんだ。お金で命を買うことはできないんだよ。命は奇跡なんだ。奇跡なんだよ、生きていることは。 

いちばん大切なのは、命。

命は奇跡であるというのは、子どもを見ていても感じます。

お金より時間が大切。そして、時間とは生きている今この瞬間のこと。

こちらの本を読んで、何かを欲しいと思うより、大切な人と過ごす時間を大切にしたい。いまこの瞬間生きている命、この命があることに感謝したくなりました。

おわりに

 

革命を起こそうと激動の時代にゲリラ活動に参加し、軍事政権が倒れた後には、大統領にまでなったホセ・ムヒカ氏。

その人生からにじみ出るような名言が、あたたかい絵とともに味わえる一冊です。

実は、この記事を書く前にインターネットで調べたところ、母国ウルグアイにはムヒカ氏のことを悪くいう人もいるとの噂も。

それでも、日本でこれだけ話題になるのは、その実体験から語られる人生論が人の心に響くからだと思います。

手元に置いておきたくなる、あらためて人生について考えさせらる一冊です。

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