今月、国立新美術館で開かれている『ルーヴル美術館展 ー肖像芸術 人は人をどう表現してきたか』を観に行ってきました。
ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか|日本テレビ
平日の午前中でしたが、なかなかの人気でした。
目次
人が人を表現してきた理由:愛おしい人を描く
人が人を描き、残す。
その理由のひとつは、その人が愛おしいからではないでしょうか。
亡くなった妻や幼いこども、そして亡き母の姿。
なくしたくない思い出やその姿を永遠に残しておきたいと思うから、人は人を表現するのだと思います。
ルーブル展では、前半にお墓に置いた彫像や、幼くして亡くしたこどもを神話の世界の神の形で残した彫像などを展示していました。
他にも、画家が自分の家族を描いた作品なども、愛情が伝わってきて素敵。
私自身、いまだに子どものアルバム作りの途中なのですが、写真を撮りたい、残したいという想いは昔の人々とまったく変わらないなあと感じます。
ルーブル展を観て、ますますアルバム完成させたーい! という気持ちが強くなりました(笑)。
人が人を表現してきた理由:権力者を描く
他の理由は、権力者が自分の権力をしめすために画家や彫刻家に依頼するというもの。
ルイ14世の華麗で美しい自画像や、ナポレオンの自画像や巨大な彫刻が印象的です。
▼チラシ表。ナポレオンの若かりし日の肖像。
▼チラシ裏。さまざまな国と時代の人の表現。
印象に残った作品
全体を通して心に残った作品です。
《第4アメン神官カミメン、妻メリトレと息子》
仲睦まじい家族の姿が印象的な、古代エジプトの石を彫った彫像。お墓に設置されていたようです。
《トガをまとったティベリウス帝の彫像》
いかにもといった古代ローマの彫像が大きく見ごたえがあります。
《5歳のフランス国王ルイ14世》
幼くも威厳のある彫像。
《戴冠式の正装のルイ14世》
展示されているのは、オリジナルではなく、いくつか真似て制作されたものの一つだそう。それでもマントなど細部まで丁寧に描きこまれていて、しばらく見入ってしまいました。
《戴冠式の正装のナポレオン1世の肖像》
ナポレオンと言えばこれ! という感じの威厳ある姿。
《戴冠式の正装のナポレオン1世》
巨大な彫像です。どうやって彫ったんだろうと不思議に思うほど、大きい像なのに細かく彫られています。360度ぐるりと見たい作品。
意外と足元のサンダルにはお花がついていたりしてチャーミング。
《ナポレオン1世のデスマスク》
絵でも彫像でもない、リアルなナポレオンの顔。ほりの深いイケメンとみました。
《王妃ケネメト・ネフェル・ヘジェト・ウレトの彫像》
血縁者同士で結婚していた女性たち。その顔に人生への覚悟がみえるような気がします。
《赤い縁なし帽をかぶった若い男性の肖像》
有名なボッティチェリの、これまた有名な一枚。若い男性がハンサムです。
《画家の妻と子どもの肖像》
奥さまの目が、光り輝いて魅力的です。どうして光っているかが知りたくて、近づいてよく見てみました。
《エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン》の彫像
女性画家の姿を、その友人が描いた彫像。
すぐ隣にある美女の絵《エカチェリーナ…》の作者として有名な女性画家ですが、私はこちらの彫像の方が気になりました。
美しい絵を描いたひとは、その人自身がとても美しかったようで、ほれぼれとするような、美しい横顔にうっとり…。
▼1枚目の写真、右側がその彫像です。
ルーヴル美術館が誇る肖像芸術の傑作110点が集結! 『ルーヴル美術館展』ついに開幕|ニュース|映画情報のぴあ映画生活(9ページ)
《春》
果物や葉などで描いた横顔。実際にみる絵は、想像していたよりも深みがあり、春らしい温かみもあり。ぜひご自身の目でみてほしい一枚です。
▼チラシ裏の拡大。
ルーブル展も、特集がテレビで放送されます
明日7月24日(火)夜9時から、BS日テレでルーブル美術館展の特集がアンコール放送されます。
BS日テレ - 「ぶらぶら美術・博物館」番組サイト │ #274 国立新美術館「ルーヴル美術館展」〜ルーヴルの“顔”一挙来日!教科書で見た、あの偉人たちと出会う!!〜
私も必ずチェックしようと思います。
音声ガイドは高橋一生さん
今回の音声ガイドは、俳優の高橋一生さん。
低く深みのある声で、よりルーブル展を楽しめました。ガイドには、音楽も入っていたりして、よりその世界に入り込めます。
ルーブル美術館展は、9月3日(月)まで開催中です。
お読みいただき、ありがとうございました!
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