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【本】楽しみだけど少し不安。新生活が始まるときに読んで欲しい、勇気の出る児童文学。『ワンダー』

先日、勇気の湧き出るような素敵な本を読みました。

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「オーガストは10歳の普通の男の子。ただし、顔以外は。」

主人公のオーガストは、身体に生まれつきの障がいを持っている男の子。キャッチコピーが、そのことを上手くあらわしています。

「オーガストは10歳の普通の男の子。ただし、顔以外は。」

見た目は他の子と違うけれど、中身は普通の10歳の男の子。

そんな主人公が、生まれて始めて学校に通うことになったというのが、物語のはじまりです。
その期待と不安がひしひしと伝わってくるのは物語のはじまり、オギーがママとこれから通うことになる学校をたずねたシーンから伝わってきます。案の定、いじわるなクラスメートがいたりしますが、親友になりそうな子やクラスを超えて友情が生まれる子も現れました。

オギー、お姉ちゃん、クラスメート。登場人物がそれぞれの視点で本音を語る

読み始めて面白いなと思ったのは、物語の形式。主人公のオーガストのほか、何人かの登場人物の視点から物語が語られるところ。その登場人物が語る言葉で、はじめて真相がわかったりもします。

「本当はあんな風に言いたくなかったのに。」「こんなふうに思いたくないのに。」オギーのお姉ちゃんや親友が、その胸の内をあかすそれぞれの章。

「オギーは本当の弟みたいだし、オギーの優しい両親が好き。」オーガストを弟のように想い、オギーの優しい両親に憧れる女の子の本音。

どの子の本音からも、人間なら誰でも持っている「心の揺れ」を感じました。

ちなみに、この本には両親など、「大人の本音」が語られる章はありません。もしオーガストの両親の章があったなら、もっとシリアスな読み心地になったはず。こちらは児童書なので、両親の章はなくて良いのだと思いました。

身体ではなく、顔に障がいを持つこと 

身体のなかや、服で見えないところが他の人と違う場合、それほど人と比べられることはないかと思います。ただし、主人公のオギーは、人が一番注目する「顔」に違いがありました。10歳の子どもなら、どうして自分は他の人と同じように生まれなかったのだろうと悩むことがあるのではと思います。

物語の中で、親友になりそうな男の子が、はじめてオギーを見たときのエピソードが書かれているのですが、著者のパラシオさんはまったく同じようなことをご自身が経験されており、そのことが『ワンダー』を書くきっかけになったとお話しされています。 

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(著者コメントより)

その日一日中、わたしは自分がとった行動について考えました。あの親子は、毎日、何度も、同じような場面に出くわすのでしょう。それこそ何度も何度も。彼女たちはいつも、どのように感じているのだろう? わたしは、子どもたちにどう教えれば、次に似たような状況になった時、より良い対応ができるのだろう? 「じろじろ見ちゃダメ」と教えるのははたして正しいのだろうか、あるいはそういう考え方自体、もっと根深いものではないだろうか? そうしたいくつもの考えが頭の中をめぐり、わたしは、息子たちに良い態度を示す機会を逸してしまったことを後悔したのです。

わたしがあの時すべきだったのは、下の子を遠ざけることではなく、女の子と、女の子の母親に話しかけることだったのです。仮に下の子が泣いても、それはそれ。子どもは泣くものです。彼には、彼のために、怖がることなど何もないよと言ってやるべきだったのです。単純に、わたし自身、ああした状況で、取り乱す以外にどうすれば良いか知らなかったのです。 

顔は人と違っていても、心はなにも変わらない。顔が違うことで傷つき続けている人の気持ちを、私はここまで考えたことがありませんでした。

▼同サイトに掲載されていた動画。本を動画で紹介するって新鮮ー♪

 

誰もが通る、新しい環境、新しい人との出会いという道

この本で素敵だなと感じたのは、オギーとその周りの人々の話が、誰にでもあてはまる物語でもあるというところ。

誰でも、入学や引っ越しなどで、新しい世界に飛びこまなければならないときがあります。悩むことはあるかもしれないけれど、自分自身や家族、周りのひととのやりとりの中で、少しずつ解決して良い方向にむかう。とくに、この本は主人公以外の視点で書かれている章があるので、オギー以外の人たちも色々悩んで生きているんだということがわかり、悩んでいるのは自分だけじゃないのだと気づかされました。

主人公のおねえちゃんは、悩める普通の女の子ですが、ご両親と学校の先生方という「大人」が素晴らしいです。悩める子どもたちを、自分自身も悩みながら、でも前を一緒に向こうとしている姿に感動しました。オギーのママが、最後にオギーにいうセリフがまた心に響きます。

我慢しない、でもあきらめない 

オギーのえらいところ。それは、自分に正直なところ。でも、あきらめないところ。つらいことも、我慢して隠そうとはしないけれど、学校に行くこともあきらめなかった。淡々と仲間が増えていったことが、最後のハッピーエンドにつながっています。

我が家も、春から新しい生活がはじまります。落ち込むこともあるかもしれないけれど、そんなときはこの本のことを思い出して、淡々と前に進もうと思います。

新しい生活がはじまるこの時期に、ぜひ読んでほしい一冊です。

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